ITPro EXPO 2017に出展しました with ソラコム


更新日 : 2018年4月17日

こんにちは、GENNECT Remote担当の舩原です。

先週水曜日から金曜日まで、

ITPro EXPO 2017にGENNECT Remoteの出展をしてきました。

ITPro EXPO 2017

HIOKIは普通は計測展や電設工業展といった展示会に出展することが多く、

このようなIT系の展示会に出すのは珍しいことです。

実際今回来場された方もHIOKIのことをご存じない方も多かったですね。

(自分では産業界では知名度ある方だと思っているのですが)

このような機会でHIOKIのことを知っていただけてよかったです。

逆に知っている方は、なんでこんなところにいるの?という反応でした。

遠隔地の設備のモニタリングがしたい、

遠隔で制御したい、という要望はあり、

それをまとめてパッケージ化してくれてるのは助かる、

すぐに試してみたい、というお客様も一定数いらっしゃって、

やはり遠隔計測はハードルが高くてなかなか始められないんだけど、

やりたいと思われている方は少なくないのだなと感じました。

いただいた様々なご要望は、今後のバージョンアップに取り入れて、

ますます簡単、便利なサービスにしていきたいと思います。

 

ソラコムについて

さて、今回はソラコム様のブース内で出展させていただきました。

HIOKIはソラコムのパートナー制度SPS(SORACOM パートナースペース)に加入しているパートナーであり、

その縁で出展しております。

https://soracom.jp/support_partners/solution/hioki/

今年のIoT/M2M展【春】、SORACOM Conference “Discovery” 2017に続いて3回目の出展です。

ソラコムの回線サービスは本当に素晴らしく、

GENNECT Remoteが発売して無事稼働しているのもその力によるところが大きいです。

ソラコムといえば最近KDDI社の子会社になったことで話題になりましたね。
https://blog.soracom.jp/blog/2017/08/02/soracom-and-kddi/
http://jp.techcrunch.com/2017/08/02/soracom-kddi-deal-interview/

一連の発表の中で、ソラコムが

格安SIMの会社で価格破壊を起こした

というように紹介されていて、

未だにそんな認識だということを非常に残念に思いました。

確かに価格は非常に重要なんですけれど、

価格が安いというだけでここまで注目され、

買収されるところまで行くわけないだろうと、

ソラコムの回線やそれに付随するサービスがとても価値のあるものだから、

わずか3年でここまで成長したんだろうということを思い、今回のブログでは、

HIOKIから見たソラコムとそのサービスの魅力の一端を紹介します。

 

回線の自由さ

携帯回線というのは

  • 1本開設するのにもそのたび契約が必要
  • プランは固定で変えられない、変えようとすると契約し直し、SIMごと変えないといけない
  • 途中解約すると違約金がかかる

とかなんとか色々あってとかく自由にはならないものと思っていましたが、

ソラコムはそういう携帯回線は自由にコントロールできないという常識を破壊しました。

まず回線(SIM)はコンソールから注文すれば翌日には届いて挿せば動きますし、

解約はコンソールから該当するSIMを解約させれば終わります。

違約金などは特になく、課金は1日単位、料金は使った分だけ請求です。

正直これだけでもソラコムを使う理由は十分です。

回線の状態はコンソール上で全てモニタリング可能になっており、

どの回線が使われているのか、オンライン/オフラインになっているのかが一目でわかりますし、

回線を一時的に休止したり、

速度プランを上げたり下げたりすることも自由にできます。

(遅いプランほど通信量単価が安い)

またこれらの変更はコンソールからだけではなくWebAPIで全て実行することができ、

例えば社内システムや、SIMを挿しているデバイスそのものから変更することも簡単です。

デバイスからの変更は特に簡単になっています。

公式サイトではファームウェアアップデートの時だけ速度を上げる、という例が紹介されています。

https://dev.soracom.io/jp/start/metadata/

これひとつとってもSORACOM Air回線の自由度がわかるというものです。

(当然高速プランの課金は、高速プランの間の通信、例えば5分だけにかかります)

このようにSORACOM Airの回線だけでも自由度は高いですが、

さらにCanalやDirect、Doorといったサービスと組み合わせるとネットワークの範囲を

自在にコントロールできるようになります。

SORACOM Airの回線は、基本的にはインターネットに接続されているのですが、

これらのサービスを使うと閉域にすることができ、

回線を特定のクラウド環境やデータセンター、また自社構内ネットワークだけに

つながっているように設定できます。

Gateというサービスを使うと、データセンター→デバイス方向の通信や、

デバイス間の通信もできるようになります。

しかもこれらはSIMを挿したまま、コンソールからの操作で切り替えられるので、

例えば遠隔地でトラブルを起こしたデバイスをその時だけ自社から接続可能にして、

SSHなどで接続してトラブル調査、解消したらもとに戻す、

ということも可能です。

このような閉域のサービスはそこそこの料金がかかるのですが、

ここも閉域にしている期間だけ課金、ということになります。

さらにJunctionというサービスでパケットひとつひとつのモニタリング・コントロールが

できるようになるにあたっては、

桁違いの自由度と言っても過言ではないと思います。

(さすがにここまでが限界だと思っていたら、最近の発表で加入者管理機能を独自実装したから、

使っていない期間は完全無料にでき、SIMの固有番号や使用するキャリアも動的に変更できるようになった、

などと発表してましたね。恐るべしです)

Air SIMを挿しておけばどんな要件でもとりあえずなんとかなる、

と思える自由度ですね。

 

通信のプロトコル変換機能

SORACOM Beamというサービスがあります。

一番簡単な機能は、特定のホスト(beam.soracom.io)に向けて非暗号化通信すると、

それを暗号化した上で設定したサーバに転送してくれる、というものです。

これはソラコムの中でも最初期からあるサービスなのですが、

これを最初に見た時に衝撃を受けました。

組み込み機器というのはCPUパワーが常に不足していて、

仮にあったとしても省電力のためできるだけ寝かせておきたいのですが、

暗号化というのは相当なパワーを使う処理です。

なので暗号化なんてできるだけやりたくない、というかそもそもできなかったりもするのですが、

昨今のIoTのセキュリティ問題を考えるとやらないわけにもいきません。

そこでSORACOM Beamです。

デバイス(SIM)からソラコムまでは閉域で、

そこからインターネットに出るところで暗号化処理を入れることで、

セキュリティが高いままデバイスの負担を減らせます。

非力なデバイスに高いセキュリティを要求するというIoTの課題を見事に解決してくれています。

これは閉域とインターネットの間にいる回線業者にしかできないことで、

こんな風に回線に付加価値をつけることができるのか、と思いました。

正直なところ、私としても回線事業というのはカバレッジ、速度、価格が全てであって、

(あとはせいぜい閉域にしたりグローバルIPを付与したりくらい)

それをよくするために帯域を確保する政治的な交渉したり、

回線設備、アンテナを立てる設備に投資するしかない、

基本的には大企業しかできない資本勝負の世界だと思っていました。

そこにプロトコル変換という、今までになかった、だけどあるととても便利で、

しかも回線業者にしかできないものを以て差別化する。

これを発想して、実際に機能として実現してくるところがすごいですね。しかも一番最初に。

このBeamを見て、こんなことができるならあれもこれもできるのでは、

というアイデアが各方面からものすごく集まったことと思います。

IoT向け回線というと、「ほぼ遅くて安い回線」とイコールで語られるのですが、

SORACOMの各種サービスはただ安いだけではなく、

本当にIoTのためを考えて作られたサービスという感が強いです。

ちなみにBeamは単なる暗号化だけではなく、

  • TCP/UDPから→HTTPSに変換することで通信量を思いっきり減らすことができる
  • Beamで証明書や署名がつけられるのでデバイスでクレデンシャル持たなくていいから安全かつ変更が楽
  • エンドポイントを指定してSIMごとに行き先を変えられる

という機能もあり、これらをフル活用することでGENNECT Remoteは、

簡単、安全で、スピードの早い開発が実現できています。

 

その他様々なIoT向けサービス

その他まだ使えていないサービスでも、

  • デバイス認証に使えるEndorse
  • データ保存に使えるHarvest
  • 制御に使えるInventory

といったサービスがあり、これらも同じ、

ネットワーク的にデバイスの一番近くにあって、

安全にアクセスできるという回線業者のポジションがフルに生かされたものです。

これがインターネット上のサービスだと一気に面倒なことになりますが、

(サーバがどうやってデバイス認証するかが問題になり、デバイスごとに認証情報が必要になり、デバイス管理が必要になるため)

ソラコムだと自社で管理しているSIMでデバイス認証ができるためそういった問題が

きれいさっぱり無くなっています。

これだけあればソラコムのサービスだけでもIoTを始められますよ。

まずはHarvestにデータを上げるところから始めるのがオススメです。

(実際に小規模で機能を絞れば遠隔計測もできることは試しました。ある程度以上の規模や機能になると他のサービスも必要になりますが)

 

まとめ

ソラコムはIoTに特化した非常に自由度が高く便利なサービスを提供しており、

これは現在のところ日本国内のみならず、世界を見渡しても次元の違うレベルと思っています。

KDDIグループに入った時のインタビューの中でも、

日本発のグローバルプラットフォームを作りたい、

ということを言われていますが、

それだけの力があると感じます。

考えてみると日本はIT分野で世界の中心になることが難しく、

PCやスマートフォン、クラウドなどの分野で海外に覇権を取られてしまっているのを残念に思っています。

そのような中でSORACOMのような、

グローバルで通用しそうなサービスが生まれたことを嬉しく思いますし、

私たちも負けないように、協力してグローバル展開を進めていかなければ、

と思っています。

(実際グローバル市場に出るにはSORACOMは非常にいい選択肢です。

国内よりは通信量単価が高いですがグローバルで使えるSIMもあり、

SORACOMの各種サービスを使えばかなり通信量を落とせます)

それでは、長くなってしまいましたが今回はこれにて失礼します。